ティンダー

Tinderに課金をする価値はあるのか

第1章「はじめに」

 昨今、晩婚化や少子化が叫ばれている中、恋愛や結婚を目的とした「マッチングアプリ」や「婚活イベント」などの人気が上昇しています。かつては、知人の紹介、合コン、ナンパ など、普段の人間関係から派生させたところでパートナーを探すというのが主流でした。しかし、今ではアプリやイベントなど、ネットサービスや企業を介した場でパートナーを探すというのが主流になりつつります。そういった時代の変化に便乗した人がいる一方、「なんとなく怖い」「アプリやイベントに頼りたくない」といった心理から便乗しない人もいるのが現代です。人それぞれの価値観があるのは当然で、必ずしもアプリやイベントを活用することが最善な選択ではありませんが、選択肢の1つとして残しておくことは人生の豊かさをもたらし、結果的に心の余裕をもたらすことにも繋がります。失敗を恐れず、知らないものを使ったり新しい環境に飛び込むことを楽しむことをオススメします。世の中は変わり続けるのです。
 そんな時代の変化を起こす一助を成したのが「マッチングアプリ」と言われるもので、日本だけでもいくつか有名なものがあります。日本で代表的なマッチングアプリとして挙げられるのは「Tinder」「Pairs」「CROSS ME」「tapple」あたりです。実はこれらの中で、Pairsはエウレカ、CROSS MEとtappleはサイバーエージェントという日本企業が運営している日本発のサービスなのですが、唯一Tinderだけはアメリカ発のマッチングアプリなのです。
 そんなTinderは、Wikipediaによると、日本では2015年頃からユーザー数が増加したといわれています。日本の女性ユーザーは、日本人ではなく外国人男性との交際を目的としてアプリを活用している場合が多いそうです。グローバリズムを感じると同時に、日本人男性にとっては悲しい事実なのかもしれません。
 Tinderはグローバルなアプリとして有名ですが、全く危険性がないものとは言えません。2018年2月には、Tinderで知り合った米国人男性が日本人女性を殺害するという事件がありました。アプリサービスが人気になり多くの人に使われると、そういった事件などの問題が起こることはよくありますが、その一件をきっかけにTinder社は日本独自のセキュリティ機能を追加するという対応をとったそうです。
 Tinderというアプリはそういった出来事を乗り越え、日本において市民権を獲得しているサービスの1つとなっています。アプリのルールに則りつつ、相手の素性に怪しさがないかどうか気にしながら、積極的に活用していけば、Tinderが素晴らしいサービスであることが感じられると思います。今回は、そんなTinderの男性ユーザーである筆者が実体験を基に「Tinderに課金をする価値はあるのか」を論じていく記事になります。

第2章「Tinderという戦場に無課金で立つということ」

 学校、職場など日常生活における人間関係から離れたところで、新しい「出会い」を生むためにTinderというアプリを使うことは素晴らしい選択だと思います。クラブなどに出かけてナンパをすることで「出会い」を生むというのも1つの手ではありますが、お互いの信頼感がゼロの状態から「2人だけの関係」になることは中々難易度が高いですし、難易度が高い分、トラブルになりやすいという面もあります。しかし、Tinderの場合は、お互いが見た目や趣味を知った上でマッチングし、メッセージを交わしてから相手を見極め、会うことができます。とてもクリーンに、しかもITサービスを駆使したことで先代では考えられないような出会い方ができるのです。出会える相手の幅が格段に広がります。
 Tinderは人々の「出会い」にイノベーションをもたらしたのです。しかし、だからこそではありますが、人気ゆえ、膨大な人間がアプリを活用することでマッチングの競争率が上がり、マッチングが出来ない人やマッチングしても直接会うことが出来ない人が続出しています。
マッチングアプリにはよくあることですが、男女比が崩れていて、特に売れ残りの男性がたくさん誕生しています。男性ユーザー数が女性ユーザーより圧倒的に多いから、また、女性人気のある男性ユーザーがたくさんの女性ユーザーの相手をしているから、などという理由が考えられますが、多くの男性がマッチング成立に漕ぎ着けなかったり、マッチングしても全然相手にされなかったりという状況が起こっています。逆に、女性ユーザーは頻繁にマッチングし、アプリ上で連絡が取れる人がたくさんいることで、数多い候補者から相手を選ぶことができます。
 そういったTinder事情から、男性ユーザーは「顔面偏差値が高い」「スペックが高い」という要素を兼ね備えていないと、競争率の高いマッチング市場で「出会い」を見つけるのは難しいという現状になっています。
 多くのマッチングアプリは、マッチングしてからのメッセージ送受信に有料課金制度が採用されていて、無課金だとメッセージが送ることができない設計になっています。そんな中、Tinderはメッセージの送受信も無課金でできる設計になっていて、無課金ユーザーでも「出会い」に漕ぎ着けるというチャンスが少なからずあります。Tinderは無課金の場合、1日のスワイプ(写真仕分け機能)回数に制限があるものの、お互いがライク(好反応スワイプ)を送り合い、マッチング成立したユーザーとは回数制限なく自由にメッセージのやり取りができるのです。無課金でここまで楽しめるアプリはほとんどありません。
だからこそではありますが、Tinder内のマッチング市場は基本的にレッドオーシャンなのです。「イケメン」「高スペック」などの武器や「面白い人だと思ってもらう」などの戦略がなければ、素晴らしい出会いに漕ぎ着けることはできません。
筆者は男性ユーザーであり、「イケメン」「高スペック」といった武器が全くない中、今まで全国各地でTinderを使ってきました。大阪や東京という都会は強い武器をもったユーザーが多数いるためか、無課金でTinderという戦場に立つのは中々厳しい戦いに挑むことになります。もちろん、稀に素晴らしい出会いに合うことはありますが、チャンスが数少ないため、物足りないという気分になります。逆に、都会以外の地域では都会と比べると、チャンスが溢れてくる頻度が上がり、無課金でも楽しめる余地はたくさんありました。そのため、そういった地域では強力な武器を持たない人でも、Tinderを使い倒すことは可能だと考えられます。

第3章「Tinder Plusの体験談」

 前章で述べたとおり、筆者は無課金でTinderを使っていて郊外地域では楽しむことができたのですが、魅力的な武器を持っていないため、東京や大阪といった都会では物足りないと感じました。そのため、東京や大阪に住んでいたときは「Tinder Plus」コースでTinderに課金をするという選択を取りました。この章では、「Tinder Plus」でTinderアプリを使った結果、Tinderでの楽しみ方がどう変化したかを述べていきます。
 結論から言うと、武器をもった男性で溢れ返る都会で「Tinder Plus」ユーザーになったところで、素晴らしい「出会い」への道のりができるというのは幻想でしかなかったです。
このコースは、1か月1,200円(6か月4,600円、12か月6,000円)という料金設定になっています。ちなみに、筆者は6か月4,600円で課金しました。Tinder Plusのユーザーになると、「ライクが無制限にできる」「1か月ごとに無料ブーストが1回できる」「1日ごとに無料スーパーライクが5回できる」「年齢・距離情報を非表示にできる」「ライクした人だけにプロフィールを表示できる」「スワイプをやり直せる」「広告をオフにできる」「世界中で(相手が遠く離れていても)スワイプができる」といった8つの機能が使えるようになります。「無料ブースト」というのは、ブースト発動後の30分間、起動したユーザーのプロフィールがマッチング候補者に頻繁に表示されるようになる、というものです。また、「スーパーライク」は、普通のライクよりマッチング率が3倍高いスワイプができるというものです。Tinder Plusユーザーになると、これら8つの機能をどれだけ有効に使うことができるかが重要になります。
「ライクが無制限にできる」という機能は、たしかに打席に立つ回数を増やし、ヒットを増やすためには有効かもしれません。しかし、筆者の実体験から考えると、打率の悪い人が打席に何度立とうとも、プロフィール写真を変えたり趣味などの設定を変えたりしないと打率は低いままなので、ヒットを打つまで時間がかかるという状況はさほど変わりません。
また、Tinder Plusユーザーになると、「無料ブースト」が使えるようになったり、「スーパーライク」ができる回数が増えたりと、Tinderにおける自由度は高くなりますが、「無料ブースト」も「スーパーライク」も強力な武器を持つ男性ユーザーで溢れ返る戦場では、彼らの中に埋もれるだけで、特に大きな変化は起こりません。たしかに、マッチングの回数は増えるのですが、結局、魅力的な顔面や素敵なスペックをもつライバルたちと競いながらメッセージでのやり取りをすることになるので、頻繁に「出会い」に漕ぎ着けるということはありませんでした。その状況で直接会うことができる女性ユーザーというのは、言葉が悪いかもしれませんが、武器をもった男性ユーザーに相手されなかった人であるパターンが多く、残り物同士感が出てしまうこともあります。相手は誰でもいいという人ならそれでいいかもしれませんが、「課金をしてまでTinderを使ってもその程度の出会いしかないなら、課金をやめよう」という結論に至ります。

第4章「Tinder Goldという選択肢」

前章では、筆者がTinder PlusというコースでTinderに課金をしたときの実体験を述べさせていただきました。そして、この章では、もう1つのコースについて、女性との出会いを求める男性ユーザーの目線で紹介させていただきます。残念ながらこちらのコースは筆者も未体験なので、実体験には基づいておりません。
もう1つのコースは「Tinder Gold」というものです。こちらの料金設定は、1か月3,400円(6か月12,600円、12か月16,800円)となっています。TinderGoldは料金設定を見てもらうと分かるとおり、かなりリッチなコースとなっています。そのため、お金にとても余裕のあるユーザーが活用するコースかと考えられます。Tinder Goldは、Tinder Plusの8つの機能と新たに2つの機能が使えるコースとなっております。その2つの機能というのは、「Likes You」と「Top Picks」です。Likes You機能は、「誰が自分を気に入ったかが見られる」というもので、Top Picks機能は、「ユーザーの好みに合いそうな人をハイライトする」というものです。
Likes You機能についてですが、TinderGoldユーザー以外は誰かからライクをもらっても、その人が誰なのかがわからないようにモザイクがかけられていて、この機能により、モザイクが解除され、しかもそのユーザーにライクを送り返すことですぐにマッチングに漕ぎ着けるという設計になっています。たしかに、モザイク部分はTinderを使っていると、とても気になってくるところで、それがLikes You機能によって、即行でマッチングができるようになるというのは、とても魅力的な機能です。しかし、懸念点としては前章で話したことと同様で、都会においては「イケメン」「ハイスペック」な男性ユーザーたちに塗れてしまうことが考えられます。
また、Tops Picks機能についてですが、Tinderの公式サイトによると、「Tinderが自信を持ってあなたのために選んだ人のリスト」が送られるそうで、「目の保養には持ってこい」
の機能だと思います。とはいえ、普段マッチングが中々起こらないユーザーからすると、このリストから選んだところでマッチング率が上がるわけでも、その後の「出会い成約」にも漕ぎ着く確率が上がるわけでもないため、すべての人に効果的な機能だとは言えません。こちらの機能は無課金でもTinderを楽しく使えるユーザーがさらに楽しむためにはとても効果的だと考えられます。お金に余裕のある人は1か月だけでも試しにTinderGoldユーザーを試してみて、効果検証されるのが良いかと思います。

第5章「課金をする前に考えること」

 課金ユーザーとしての実体験などを踏まえて、課金をすれば必ず素晴らしい出会いに巡り合えるというのは幻想でしかない、ということが理解されたかと思います。女性との出会いを求める男性ユーザーの場合、「自分のプロフィールは戦場において優位に立てるのか」「使用エリアとTinderとの相性は良いのか悪いのか」「武器や戦略を創作することは可能か」といったあたりを考えることは、Tinderで「出会い」を求めるにあたって重要な思考だと思います。なぜなら、ユーザーのプロフィール、使用エリア、戦略次第では、無課金でもTinderを存分に使い倒すことは可能でありますし、有料課金をしても効果が見込めないというケースもあるからです。
プロフィールを変えるとなると、整形をしたり、転職したり、大学に入り直したり、起業したりするなど、時間的にも金銭的にも大きなコストがかかってきます。また、使用エリアは住んでいる場所を移すか、頻繁に遠出をする以外は厳しいので、即実行できるわけではありません。しかし、戦略を考えることは、今すぐに、しかも誰でもできます。Tinder攻略法を自分なりに考えることは、Tinderを存分に使い倒す上で、また、課金するかしないかを判断する上でもとても大切です。
筆者が採用した戦略はとても簡単で、「外国人女性を狙う」というものです。簡単に言うと、「自分の戦場を選び直す」という戦略です。「イケメン」「ハイスペック」な男性ユーザーの多くは、日本人女性ユーザーへアプローチしています。しかし、日本人女性ユーザーは男性と比べて人数が少なかったり、外国人男性ユーザーへ流れていたりしているため、日本人男性ユーザーからの需要に追いついていません。そのため、日本人男性は超レッドオーシャンの戦場で戦うことになるのです。そして、多くのユーザーはその戦場でどういう戦術を使って戦うかを工夫しています。
しかし、ここで他のユーザーと同じことをするのではなく、発想の転換を行うのです。戦場でどう戦うかを考えるより、そもそもの戦う場所を別のところに移せば、ブルーオーシャンに辿り着けるのではないかと考えるのです。
外国人女性へ狙いを移してみれば気付くことですが、日本にいる外国人女性は意外とパートナーを探すことに苦労しています。日本にいる男性ユーザーの多くが日本人女性をターゲットとしていることが原因だと考えられます。そのため、外国人女性と直接会うところまで漕ぎ着ける可能性は高く、筆者自身、何度か楽しい時間を過ごすことができました。もちろん、英語で会話することもあるので、多少、英会話に慣れている必要はありますが、日常英会話程度で全然会話は成り立ちますし、意思疎通が普段より上手くいかないからこそ、心の距離が近づくという側面もあるので、とても面白い体験ができます。「外国人女性を狙う」という戦略はとてもオススメです。

第6章「おわりに」

以上が、「Tinderに課金をする価値はあるのか」というお話でした。総じて言いたいのは、「課金をしようがしまいが、Tinderという素晴らしいアプリを使い倒せるかどうかは貴方次第」ということです。TinderというアプリはIT技術が使われていて、とても現代的なツールではあるのですが、結局、モテる人とモテない人という二分化は起こっています。課金をすれば必ず「モテる」側になれるわけではなく、自分の武器は何なのか、戦略を駆使できるのかが要になってきます。ある意味、マッチングサービスという戦場にもゲーム性があり、そのゲーム的なところで楽しみながらサービスを使い倒すことができるのかどうかにかかってくるのです。Tinderというマッチングアプリで、自分なりの攻略法を考えるというのも1つの考えになるのかもしれません。