出会い

転勤族こそマッチングアプリを使おう

第1章「はじめに」

転勤族、すなわち、頻繁な転勤により居住地が定まらないビジネスマンにオススメの楽しみ方があります。それは「マッチングアプリを使って全国各地にパートナーを作る」ということです。補足ではありますが、この場合の「転勤族」は、会社で労働する上で、いくつかの支社や店舗に勤務先が移動する人で、かつ、未婚の個人を想定しています。既婚の方にはオススメはできませんが、実行可能ではあると思います。
転勤が多い人にとって、1番の苦痛は転勤で引っ越しをするたびに人間関係が刷新されることです。せっかく現地の人と素晴らしい出会いに恵まれても、転勤のたびにその人たちと頻繁に会うことは出来なくなります。たとえば、現地でスポーツチームなどのコミュニティに参加し続けることは難しいです。また、素晴らしいパートナーと出会えたとしてもその人について来てもらうことがない限り結婚して一緒に暮らすということも困難です。転勤族の方はそういった苦痛と向き合わなければなりません。
しかし、そんな「転勤」にもメリットがあります。それは全国各地に住む機会が「自分の意図に反して」降りかかってくる、ということです。この「自分の意図に反して」というところが肝心です。半強制的に住む場所を決められることで、自分では考えもしなかったところに住むことになるのです。そのメリットを最大限活かすためにもマッチングアプリはオススメです。

第2章「全国各地にパートナーを作る」

新天地へ引越し、マッチングアプリを通して現地の人と知り合います。何度か連絡をとったあと、会う約束をし、仕事終わりもしくは休日にその人と会いましょう。そして、お互いに楽しく過ごすことができたら、その人と長期的かつ緩い繋がりをつくることが「全国各地にパートナーをつくる」ための第一歩です。転勤の時期が来て、再び新天地へ引っ越しをしたら、同じことを繰り返します。そういったサイクルを作ることで、全国各地に自分独自の”ネットワーク” ができます。もちろん、じぶん専用のネットワークです。一見、大掛かりな計画に見えますが、半強制的に住む場所を変えられてしまうという特性を活かし切れば、実現可能なことだと思います。
じぶん専用のネットワークを構築していくと、国内旅行の楽しさが倍増します。なぜなら、行き先ごとにパートナーがいるからです。旅行の場合、もし行き先にいるパートナーが家に泊めてくれたらそれだけで宿泊費を浮かすことができます。そして、宿泊費が浮いた分、その人にごはんを奢ってあげるといったこともできます。また、すでに仲が良くなっている案内人がいることで、各場所でディープなところが発見しやすくなったりと、国内旅行が大変スムーズかつ濃厚なものになります。もはや国内移動が非日常の「旅行」ではなく、日常的な娯楽になっていくことでしょう。さらに、国内出張も同様に楽しくなると思われます。

第3章「Tinderは素晴らしい」

筆者自身、会社員時代は全国転勤のある企業に勤めていて、マッチングアプリに大変お世話になりました。筆者が使用していたのは「Tinder」です。なぜTinderかというと、課金しなくても好みの人に出会えるチャンスがあったからです。当時は社会人1年目でマッチングアプリに課金する余裕があまりなかったため、Tinder以外のマッチングアプリにも興味があったものの、Tinderだけで知らない人との出会いを求めていました。
 筆者は関西出身で大学まで関西で過ごしたあと、就職したのですが、最初の勤務地がなんと鹿児島県鹿児島市でした。もちろんそれまで仲良くしていた関西の友達とはお別れです。飛行機で行くような遠い場所が新天地となったのです。
 大学生の頃はあまりマッチングアプリを使うことがなかったのですが、さすがに知らない人だらけの地方にいきなり住むことになり、遊ぶ友達がいないとマッチングアプリや街コンなどで出会いを求めたくなりました。街コンにも2回ほど行きましたが、社会人1年目の人間には街コンの参加費はかなりの痛手で、気づけばマッチングアプリを頻繁に使うようになりました。
 そして、あらゆるマッチングアプリをリサーチし、無料でも出会いのチャンスがありそうなアプリを探した結果、Tinderが唯一有効だと判断しました。そこで、Tinderの無料機能は使い倒しました。
 そもそもTinderというアプリは、お互いに関心をもったユーザー同士でコミュニケーションをとることを可能にした「デートアプリ」です。マッチしたユーザーの間でチャットすることができるのです。街コンなどとは異なり、アプリ上で関心をもった人同士がやりとりできるように設計されていて、「気が合いそうな人」「好みの人」と知り合えるチャンスを生んでくれるように作られているアプリです。また、TinderはFacebookを使った位置情報サービスでもあるので、物理的な距離が近い人と出会えるようにも設計されています。この点も転勤族にとってありがたいですね。鹿児島にいるのに北海道の人と知り合っても大きなメリットはありません。近くに住んでいる人に最短距離で知り合うことができる、というのがTinderの素晴らしいところです。
ちなみに、 Tinder 社の広報担当は過去に、「出会い系サービスではなく社会的なつながりを作り出すサービス」と説明されており、たとえばビジネス目的で活用している人もいます。以前、Tinderで仲間を集めて起業をしたという女子大生が現れたことで話題にもなりました。彼女はTinderのプロフィールに職業を入力できる機能に着目したそうです。専門のエンジニアやデザイナーを探しているときに、Tinderの職業欄に「エンジニア」「UI、UXデザイナー」と書かれている人にアプローチしてやりとりし、その人とその人の仕事仲間を自分の仕事メンバーにしたそうです。Tinderには、そういった「出会い」以外の使い方があり、年々、市民権を獲得していってます。
多くのマッチングアプリには、設定条件に合った人物の顔写真が表示されます。その人とやりとりがしたいと思えば右にスワイプ、そう思わなければ左にスワイプをすることで、顔写真を仕分けします。Tinderも同様の形式です。Tinderでは右スワイプすることを「ライク(LIKE)を送る」とも言います。そして、お互いのユーザーが右スワイプをしたらマッチング成立ということになり、やりとりができるようになっています。しかし、ほとんどのマッチングアプリはマッチング成立してからのやりとりが有料になっているのです。マッチングした人とやりとりがしたければ課金してください、という設計になっていることが多いです。そんななか、やりとりも無料でできてしまうアプリがあります。それがTinderです。
もちろん、Tinderにも課金をしなければ使えない機能はいくつかあります。たとえば、課金をしなければ、1日に右スワイプ(ライク)ができる回数に制限があったり、スーパーライク(マッチ率がライクの3倍)が1日1回だけしかできなかったりなど、不都合はいくつかあります。しかし、それら不都合があるとはいえ、マッチングさえできたらマッチング相手にメッセージを無料で、しかも回数制限なく何通も送られるのは、筆者リサーチによるとTinderだけです。Tinderは無課金でも楽しめるという側面があり、他のマッチングアプリと比較して入り口がとても広いのです。Tinderは素晴らしい。

第4章「初めてのTinder姉さん」

先述したとおり、会社員時代、Tinderに大変お世話になったのですが、この章ではそのときの体験談について触れていこうと思います。
筆者は、当時20代前半の男で、年上の女性が好きでした。Tinderにはマッチングしたい相手の条件が設定できる機能があるのですが、筆者が定めた設定は、「性別は女性」「年齢は自分の歳より1歳から5歳上」「住んでいる場所は半径20km」というものでした。
入社して1ヶ月たったあたりから毎日Tinderアプリを開き、回数制限に達するまで気に入った顔写真をスワイプしていました。スマートフォン1台あればできるので、「朝起きたとき」「トイレで気張っているとき」「仕事終わりのボーッとしたいとき」「風呂上がり」など、頭を休めているときにコツコツとスワイプをしていました。顔写真をみて、「この人と連絡を取りたいかどうか」を瞬間的に判断し、連絡を取りたいと思えば右スワイプ、取りたいと思わなければ左スワイプ、ただそれだけです。ほとんど頭を使わないので、ボーッとしたいときにTinderアプリを開き、ほとんど本能だけでスワイプ作業をしていました。
そういった習慣が身につけば、コンスタントにマッチングが起こるようになります。あとは、アプリ内でマッチング相手と軽く挨拶をしてから話を弾ませ、会う約束に取り掛かる、というサイクルを何回か繰り返しました。筆者は、男前でもなければお金持ちでもなく、ユーモアの溢れた人間でもないので、頻繁にマッチングが起こるわけでもなく、マッチングをしてからも会う約束に漕ぎ着くのに時間がかかっていました。しかし、それでも諦めず、身につけたスワイプ習慣とメッセージ送信を繰り返すと、会話テンポの合う人が1人現れました。その後はとんとん拍子で話が進んでいき、なんとか飲みに行く約束ができました。Tinderを始めて2週間で、初めて初対面の人と会うことになったのです。
相手は筆者より3個歳上で写真では後ろ姿しかわかりませんでしたが、とりあえず会ってみようと思い、近くの居酒屋に飲みに行くことにしました。自分の全然知らない土地で知らない人といきなり飲みに行くという経験はそのときが初めてでしたが、知人の紹介とかではなく自分で見つけた相手ということで、必要以上に気負う必要もなく、あまり緊張することなく出会うことができました。2人で対面の席に座り、向かい合って飲んでいたのですが、顔も格好もあまり歳上感がなく、美人というより可愛いという感じでした。だが、やはり歳が3個も上ということで落ち着きの払った仕草などが魅力的で、好みの女性でした。筆者自身、Tinderだけでなくマッチングアプリで出会うということを初めて経験したこともあって、その女性がふだんTinderで出会うことはよくあるのかを聞いてみました。その答えははぐらかされましたが、ハッキリ答えない様子ととても落ち着いている様子からTinder愛好家であることが予想されました。おそらく筆者以外にもTinderを使って何人かと出会っていたのではないかと思われます。
また、Tinderの位置情報で相手がご近所さんだということは、なんとなくわかっていましたが、実際に会って住んでいる場所を具体的に聞いてみると、その居酒屋から歩いていけるほどの場所でした。そのとき改めてTinderの位置情報の素晴らしさを実感しました。その居酒屋で飲んだあとは、相手の自宅方向にあるカラオケに行き、再びお酒を飲みつつも良い感じの雰囲気を保ちつつ、相手の自宅に辿り着くことができました。今改めて思うと、ここまでの流れは完全にTinderのおかげです。知人の紹介ではなく自分で選んだ相手と、位置情報でお互いにとって都合の良いということが事前にわかった上で、気軽に、かつ、0円で出会うことができたというのは、やはりTinderのおかげとしか言えません。相手の自宅まで辿り着くことができたら、後は本能の赴くまま楽しむだけです。
Tinder姉さんとは初夜を迎えたあとも、緩く繋がりを持ち続けました。転勤族にとって、緩い繋がりはとても大切です。転勤という大移動で、いずれ別れるとはわかっているからこそ、近づきすぎず、遠すぎない距離感でたまに連絡をとったり、たまに会ったりして楽しい時間を共有しました。結局、筆者はたった半年で鹿児島市を離れることになり、Tinder姉さんとはお別れすることになりましたが、いつでも連絡はとれる状態になっています。そのため、鹿児島市に旅行に行くときはお世話になるかと思われます。そういう流れで1つ1つ全国各地に自分の回路を作ることができるというのは、やはり「転勤族」であることのメリットなのではないかと、そのときに学びました。

第5章「緩いネットワークがあなたを救う」

「転勤族」というのは頻繁に大移動を行わないといけないので、1つの土地で長期的な人間関係を構築していくことが困難な人種です。インターネットが普及される前までは、早く結婚して家族を持ち、家族みんなで全国各地を移動するというのが「転勤族」の元々のイメージだったと思われますが、現代ではそのイメージはほとんど無くなっています。高度経済成長期やバブル景気のときは家族単位での移動も1つのイベントとして成立していましたが、バブル崩壊後は転勤者本人だけが全国各地を周り、他の家族は1つの拠点から動かないというスタイル、いわゆる「単身赴任」のパターンが多くなっています。そうなってしまうと、「なぜ、結婚したのだろうか?」「結婚とはそもそもするべきことなのだろうか?」といった価値観が生まれ、現代では実際にそういう価値観が広まりつつあります。そんな現代で、かつ、インターネットが普及された今だからこそ、未婚の転勤族の方は「結婚」などをして身を固めに行くのではなく、マッチングアプリを使って全国各地に緩いネットワークを作ることがあなたを支えてくれる有効な手段なのです。
この「全国ネットワーク構築計画」は、なにもプラベートのためだけではありません。仕事にも間違いなく良い影響が出ます。なぜなら、ネットワークが作られていけば依存先が増えていくからです。なにか困ったときにネットワーク内の誰かが話を聞いてくれるというのも、大きなメリットです。それだけでなく、全国各地に連絡先があることで話のネタが全国各地から集められます。ある特定の分野に詳しい人がネットワーク内にいればその人に直接頼ることもできますし、いなくてもそういう人が知り合いにいれば、繋げてもらえる可能性もあります。いわゆる「人脈」といわれるものが「全国ネットワーク構築計画」によって出来上がっていくのです。これは、第3章「Tinderは素晴らしい」のところでビジネスにも繋がるという話が紹介された通り、マッチングアプリでやっていたことがプライベートだけでなく、自分の仕事にも活かすことが可能になってくるのです。仕事のためにもマッチングアプリを活用しましょう。

第6章「終わりに」

以上が「転勤族こそマッチングアプリを使おう」というお話でした。今回は未婚の方限定で話を進めていましたが、既婚者にも有効な手段だと思います。(オススメはできません。)なぜなら、結婚をすると特定の人間との関わりが強くなり、その分味わえる幸せはあるものの、仕事以外で自分の世界を広げることがなかなか難しくなるからです。総じて言いたいのは、未婚者も既婚者も自分の生き方の選択肢を増やすことは、自分の人生を彩ることにも繋がり、その手段として現代にはマッチングアプリを使うことは有効ですよ、ということです。