出会い

実は出会える”語学学習用マッチングアプリ”

第1章「はじめに」

21世紀を生きる私たち現代人は、IT革命をへてたくさんのIT技術に囲まれて生きています。あらゆるIT技術によって私たちの生活は便利になりました。そして、得られる情報が増えたことで人生における各場面での選択肢が増えました。私たち現代人は人類史上最も多様で豊かな世界を生きているのです。
 そんな私たちが享受しているものの1つとして、「人との繋がりの多様性」が挙げられます。IT革命以前の世界では、物理的に近い人としか頻繁に会うことができず、連絡を取るにも情報量の限られた手紙を郵便で送ることしかできなかったり、遠くの知人と話すためには飛行機で移動する必要があったりと、コミュニケーションを取るために乗り越えなければならない手順の数が現代とは比べものにならないほど多かったのです。それゆえ、出会うことのできる人の特性、たとえば、国籍や思想などは限られた場合が多く、現代と比較すると、とても「多様」な世界とは言えませんでした。しかし、現代では、スマートフォン1つで、いつでもどこでも誰とでも連絡がとれ、話すことができ、ビデオ通話やライブ配信で間接的に会うこともできるのです。IT革命が「人との繋がり」に多様性をもたらしました。
 そんな「人との繋がり」に多様性をもたらしたものの例として、「マッチングアプリ」が挙げられます。マッチングアプリというサービスが普及されたことで、お互いに関心をもった人同士でコミュニケーションを取ることができるようになり、さらにチャットまでできるようになったのです。既存の人間関係の枠からはみ出したところから、新しい人間関係を形成することができるという、一昔前の人類からすれば魔法のような世界に見えることでしょう。そんな「魔法」も使い方次第で様々な目的を果たすことができます。

第2章「langmateという名の語学学習用アプリ」

 世の中には、たくさんのマッチングアプリが存在しますが、それぞれ使用目的が異なったり、使い方が違ったりします。よくあるマッチングアプリとして、恋愛や結婚目的のマッチングアプリがあります。また、そういったアプリをビジネス目的で使うこともできます。実際に、ある日本人女性は、恋愛目的が主流のマッチングアプリをビジネス利用することで、新しい会社を立ち上げ、話題になりました。それぞれのアプリにそれぞれの設計や特徴があるものの、そのツールをどう使うかどうかはユーザー次第なのです。
 アプリをどう使うかはユーザー次第であるという話をさせていただいた上で、今回紹介したいマッチングアプリは「langmate」(ラングメイト)という語学学習用のアプリです。「langmate」の公式サイトをみると、「2億人の親日外国人と繋がろう」という一文が載せられていて、日本人が外国人と繋がることができるように設計されたアプリであることが伺えます。また、サイト上には、「日本が大好きな親日外国人」と「国際交流したい日本人」をつなげるマッチングアプリである、という説明もあり、グローバルを意識しているものの、あくまで日本という国を中心に考えられたサービスであるということがわかります。実際に、筆者は無課金ユーザーとして、こちらのアプリを活用したのですが、よくあるマッチングアプリのように、次々と表示されるプロフィール画像をスワイプして仕分けていくものとなっています。そして、ほかのアプリと異なり、あくまで語学学習目的のアプリなので、対象の性別を設定する機能はなく、性別関係なしにランダムでプロフィール画像が表示されます。課金はしていないので、マッチングに関して一部制限があるものの、チャット制限はないので、無課金でも複数人とメッセージでやり取りすることも可能となっています。そんなlangmateで知り合った女性と恋愛関係に発展しそうになった話をしていきます。

第3章「langmate体験談」

 筆者はlangmateを無課金ユーザーとして活用していたのですが、ほかのマッチングアプリとは比べものにならないくらいマッチングが起こりました。そして、メッセージも高確率で返ってきます。今まで使ってきたマッチングアプリでは考えられないほど、早いタイミングで複数人とチャットができて、とても面白いアプリだと感じました。
 なぜ、ほかのマッチングアプリでは頻繁にマッチングが起こらなかった人でも、langmateではマッチングをたくさんさせられたのかというと、恋愛や結婚目的のアプリと違い、容姿がさほど重要視されないからだと思います。言葉を選ばずに言うと、言語学習を目的としたマッチングアプリでは「ブサイク」でもマッチングが頻繁に起こるのです。Langmateを使う前からそういったことに気付いて、アプリを使い始めたわけではありませんが、使いながら薄々気づき始め、気づけばlangmateという言語学習アプリにハマっていました。ほかのマッチングアプリでは相手にしてくれないような美女も、言語学習目的という名目で相手をしてくれるのです。
 もちろん、langmateは外国人と繋がるように設計されているアプリであるため、海の向こうの大陸に住んでいる人たちとマッチングすることが多かったのですが、使い始めて3日目くらいで、日本に住んでいる外国人女性とマッチングしました。そして、ほかのマッチングしたユーザーたちと同様にチャットを始めたのですが、驚くことに、その女性は筆者の家から電車で1時間以内で行くことができる地域に住んでいたのです。その後もチャットを続け、お互い同意のもと、InstagramのDMでのやり取りに移行し、お互いの素性を明かしました。さらに、LINEでのチャットに移行し、LINE電話で直接通話するほどの仲になり、近いうちに会おうという話にになりました。そして、その話の2日後に直接会いました。Langmateでアカウント登録してからここまでにかかった日数は1週間前後だったと記憶しています。とてもスピーディーに事が動きました。
 その女性について、会うまでに把握していたことは、「モンゴル出身のモンゴル人であること」「外国人労働者として日本の法律制度を活用して入国したこと」「女友達と3人で住んでいるということ」でした。
待ち合わせ後、近くの居酒屋に入り、お互いにお酒を飲みながら、筆者は相手の女性に対して様々な質問を投げかけました。彼女の答えはとても快いものとは言えませんでした。彼女は、英語・日本語・モンゴル語を話せるトリリンガルで、プログラミングができるエンジニアで、特別な技能を持ち合わせた技能を兼ね備えているにも関わらず、日本に来てからは特に訓練をしたことのない介護職をさせられているという答えでした。安倍政権が外国人労働者を受け入れる体制を整えるということで一時期ニュースになっていましたが、実際にその流れで日本に入国したものの、特別な技能が活かされずに、特に経験がなく希望もしていない仕事をさせられているというのは、かなり酷なものだと感じました。こういった日本の法律の「闇の部分」を外国人の口から聞くことになるとは思わなかったので、ある意味貴重な体験になったと思います。
また、日本人は基本的には優しいものの、仕事中は一切笑わないし笑ったら怒られるので、日本で働くのは楽しくないという答えも返ってきました。日本人の感覚では「仕事は真面目にしなければならないもの。笑ったり楽しんだりするものではない。苦しいことがあっても我慢するのが美徳だ。」といったものが身についてしまっているため、それが当たり前の空気として蔓延していますが、どうやら彼女の目にはかなり異様な光景に見えたそうです。彼女との会話は外からの視点から日本という国を少し知るきっかけにもなりました。
ほかにもいくつか話をしつつお酒を飲み続け、気づけば終電がなくなっていました。近くに泊まる場所はたくさんあったので、「なんとかなるだろう」ということで、そのまま気にせず話を続けました。お互いに日本語も英語も話せるものの、筆者は英語が不十分で、女性の方は日本語が不十分だったため、お互いがお互いの穴を埋める形で会話をしていました。それがお互いの距離をかなり縮めたのかもしれません。テーブル席に対面で座って飲んでいたはずが、店員の目も気にせずに、気づけば隣り合わせで座ったりしていました。その日に会ったとは思えないほどの関係性になっていました。
筆者の2倍くらいお酒を飲む酒豪だったモンゴル人女性と、4時間ほど居酒屋でお酒を嗜んだあと、近くのビジネスホテルに2人とも同じ部屋で泊まることにしました。語学学習を目的としたアプリで知り合った2人でしたが、お酒で酔っていたこともあり、出会った初日で男女の関係になりました。
居酒屋での飲食代もホテル代も筆者持ちだったので出費が手痛いと感じましたが、楽しい時間を過ごすことができたので、そこはあまり気にしないことにしました。しかし、その後が大変でした。
お互い楽しい時間を過ごせたので、「また会おう」という言葉を最後に、翌朝お別れをしたのですが、その1時間後くらいから彼女が異常なほどしつこく連絡することを求めてくるのです。筆者は彼女との時間は楽しいと感じていたし、また会いたいとも思っていたので、いわゆる「ワンナイト」で関係性を終わらせるつもりはなかったのですが、筆者の私生活に支障をきたすくらいに彼女から執拗に連絡を取ることを迫られ、ついには彼女の言動に引いてしまいました。
今思い返すと、彼女は日本での理不尽な状況にストレスが溜まっていて、そのストレスを解消してくれる人、慰めてくれる人を探していたのかもしれません。あくまで憶測ですが。一緒に過ごした日はそのような様子をハッキリと感じ取れなかったので、気になることはありませんでした。しかし、筆者と離れてたった1時間で彼女はヒステリックになり、別人のようになってしまったのです。
彼女と何度か連絡をとり、落ち着いてもらおうと試みました。しかし、結局、筆者は彼女のことが怖くなってしまい、連絡を取ることをやめ、距離を置いてしまいました。その後の彼女のことはわかりません。彼女の闇なのか、日本という国の法律が生んだ闇なのかはわかりかねますが、ヒステリックな状況が生まれていたことには変わりありません。
Langmateという語学学習を目的としたアプリで、恋愛関係に発展しそうな「出会い」に恵まれたものの、日本の法律の闇や女性のヒステリックな様子を見るという結末になりました。

第4章「結局は使い方次第」

 前章で紹介したように、必ずしも素晴らしいといえる出会いに繋がるわけではありませんが、語学学習用のマッチングアプリでも、いわゆる「恋愛」に発展するような出会いに巡り合うことは可能です。結局は使い方次第です。筆者の場合は語学学習用アプリで知り合った女性と「恋愛」に発展しそうな出会いに巡り会えましたが、逆に、「恋愛」を目的としたマッチングアプリを使って、異文化をもつ人と出会い、異文化交流をするということも可能です。ほかにも、マッチングアプリを使って自分が働く飲食店のお客さん候補を探したり、アルバイトをしてくれる人を探したりしている人もいます。
 それぞれのマッチングアプリにはそれぞれの設計がされていて、それぞれの特徴を持ち合わせています。そのため、ある目的に特化したツールにもなったり、雑多なマッチングを生むツールにもなったりします。自分が使うマッチングアプリはどのような設計で作られたサービスであり、どういった層の人間が多いのか、どういうマッチングが生み出せるか、といったことを自分なりに考えて行動することで、自分なりの楽しみ方ができるのかなと思います。

第5章「おわりに」

 以上が、「実は出会える”語学学習用マッチングアプリ”」というお話でした。「枠にとらわれない」使い方をした結果、独自の楽しみ方ができるという内容でしたが、これはマッチングアプリに限った話ではないと、筆者は考えています。
 アプリといったITサービスだけでなく、学校や会社を選んだり、自分のいる場所で何をするかといったところでも、「枠」という目に見えないものは存在すると思います。たとえば、進学校にいると「偏差値の高い大学の入試に挑戦する」ということが当たり前にすることとして考えてしまったり、大学にいると「新卒で会社に入り、輝かしいキャリアを築かなければならない」と無批判に考えてしまったりと、人それぞれ、人生の各場面で「枠」の範囲内で物事を考えてしまうという現象が、人間の習性として見られます。
しかし、そういった「枠」を勝手に「はみ出てはいけないもの」として認識してしまうと、「枠」の外の選択肢を除外してしまうということをしてしまいます。そのこと自体は何も悪いことではなく、できるだけ単純に物事を考えたいという人間の本能に基づいたものなので、とても「自然」なことなのです。とはいえ、「枠」の範囲内で行動すると、人によっては「枠」が窮屈に感じたり、退屈を感じる時間が増えたりすることが出てきます。そういった「窮屈」「退屈」を感じたときに必要なのが「枠にとらわれない」思考や行動です。そもそも自分はどんな「枠」にとらわれているのかを認識するところから始め、どうすれば自分の人生をカスタマイズできるか、どの手段だと自分という人間に需要を生むことができるのか、などといったことを考え続けることが必要になってきます。そのことが一転して、その「枠」の合理性や重要性に気づくこと、「枠」への回帰にも繋がります。
 筆者の場合は、langmateを語学学習以外の用途でも活用しましたが、それがきっかけで異文化への興味が増強された面もあり、回り回って語学学習への動機付けに繋がっています。
 日頃、同じ人間と長い時間を過ごすと、知らず知らずのうちにその人たちの思考や行動からの影響を受けています。もちろん、それ自体は悪いことではありませんが、それによって身についてしまった強いバイアスが自分自身を縛りつけ、苦しく感じさせることもあります。そういった事態に陥らないように、自分の人間関係から離れたところにいる人や異文化をもつ人と積極的に会うことは、自分自身の幸福度を上げる上で、とても合理的な行動だと思います。そういった観点からもlangmateという語学学習用マッチングアプリは大変効果的なツールなので、ぜひ多くの人に使っていただきたいと思います。